井之明神水(いのみょうじんすい)|秦野市曽屋

神奈川県秦野市曽屋にある湧水。昭和の名水百選に選ばれた秦野盆地湧水群の一つです。アクセス、周囲の風景をまとめてます。

井之明神水(神奈川県秦野市)

井之明神水とは?

井之明神水の歴史

御神水「井之明神水」

湧出する御神水「井之明神水」は、日本の近代水道の歴史上、特筆すべきものです。往時の「曾屋村」地域では井戸を掘っても水を求めづらく、湧き出ていた「井之大明神・井之明神社」(曾屋神社の旧称)の水と、現在の水神町の水神様(石の祠が現存)の二箇所の湧水を、生活用水として利用していました。現在でも一部、古い水路が残されています。
当時は、ウナギや小魚なども生息していたそうです。古い絵図を見ても、高い位置に鎮まる神社のもとに街並みが形成されているのがわかります。およそ百五十年余り前、安政五年には、氏子の佐藤安五郎氏が巨費を投じて隊道を完成させ、水源の増水に成功しました。その後、生活用水の汚染等の問題が起こり、梶山良助氏を中心に、氏子住民の手により、明治二十三年、近代水道では、横浜、函館に次いで、全国で三番目となる「曾屋区水道」が敷設されました。県からの技術指導はあったものの、民間による「簡易陶管水道」としては全国初のことでありました。この水道水源が、神社湧水と、隣接する乳牛(ちゅうし)地区の湧水でした。
生活様式も上水道にたよる形となり、神社湧水も境内地の湿地化など、事情により一旦埋められることとなりました。しかしながら、平成になり、ご祭神ゆかりの水が復活されることが望まれるなか、平成十六年に旧湧出口発見に至り、見事「御神水復活」の日の目をみました。そこで旧社名「井之明神社」(いのみょうじんしゃ)にちなみ、「井之明神水」と命名されました。
平成二十九年、現存する「旧曾屋配水場跡」「ロ号水源・ハ号水源」等が、遺溝として「曾屋水道」として、遺跡関係の「国登録記念物」に登録されました。

 

水質チェック(計測日2020/10/28)

EC(us) TDS(ppm) pH
330 231 6.7
EC(ms) TDS(ppt) 水温
0.3 0.2 18.9℃

現地情報(水汲み場・駐車スペース・トイレ)

水汲み場 駐車スペース トイレ
神社内駐車場 あり あり
水汲み場

井之明神水の水汲み場
見た感じ神社内の「手水舎」かとおもったけど手水舎は別にあるようだ。蛇口は1箇所だけだが憩いよく水が吹き出している。

 

駐車スペース

井之明神水の駐車場
神社に駐車場があるので車で問題ない。しかも駐車場内に水汲み場があるのでアクセスしやすい。

 

トイレ

井之明神水のトイレ
大きめの神社なのでトイレもしっかり完備。

井之明神水へのアクセス

井之明神水周辺のマップ

住所:神奈川県秦野市曽屋1-6-10
最寄りのIC:「東名自動車道」秦野中井ICから10分(3.5km)

 

Googleマップで「井之明神水」と検索すると「曾屋神社」と出てくるが井之明神水はこの神社内にあるので問題ない。

井之明神水の風景


撮影日:2020/10/28

 

秦野盆地湧水群の一つ「井之明神水」。「曾屋水道」発祥の御神水とされている。

 

水温はこの日で18.9℃と他の湧水に比べて高めだ。またpHも6.7と酸性よりだった。水質はその日の気温や状況によって変化するのでこの数値は固定ではないが、他の秦野盆地湧水群は中性からアルカリ性だったので少し毛色が違うようだ。

 

訪れたときは駐車場に1台だけとまっていたが、スーツ姿のお兄ちゃんが寝ていた。場所的にもサボり場所にもってこいのようだ。