その昔、この地は日照り続きで皆困っていた。ある夜名主の枕辺に御神楽岳に住むという天狗が現れ小判草(からむし)を捧げれば、願いが叶うとのお告げがあり、小判草を探して神社に奉納したところ、雨が降り、それ以来この地は豊潤な土地となった。小判草を採取した所からは、清水が湧き出し、これを、口に含むと体に力がみなぎるという。
案内板によると干ばつで悩んだ村人が、御神楽岳に住む天狗から「小判草を神に捧げるように」とお告げを受け、神社に小判草を捧げると、三日三晩雨が降り続き、小判草を採取したところから冷たい清水が湧き出したと言われる。
ちなみにこの伝説に出てくる小判草とは、昭和村特産の苧麻(からむし)と呼ばれる植物だ。この繊維から作られる「からむし織」は軽量で吸湿性に優れており、夏服や神職の衣服にも用いられている。
地元ではこの水を「体力みなぎる水」として土用の丑の日に汲み、無病息災を祈る行事が伝わっている。
住所:福島県大沼郡昭和村大字大芦
東北道から向かってきた場合は分岐のちょっと手前に「藤八の滝」がある。駐車スペースから徒歩3分で素晴らしい滝がみれるので是非見てほしい。
401号を走っていると現れる案内板。付近に何もないせいか目立つので見逃すことはまずないだろう。冷湖の霊泉は至駒止湿原の方向だ。
目的地まで残り2kmは道幅が狭い砂利道が続く。対向車が来ても所々にスペースがあるので大丈夫。
採水場所の真隣に普通車であれば3台ほど駐車できるスペースがある。最水場所の隣にあるのはありがたい。
撮影日:2020/09/5
午後の3時に目的地の冷湖の霊泉に到着。
静かな山の中、水の流れる音と鳥の鳴き声を聞きながらお水をいただいた。
ちなみにこの場所ではスマホの電波は入らなかった。
こういう場所でのんびりするのは気持ちがいい(周りに人がいないのもよかった)
十分に堪能した後、蚊に刺された足首を掻きながら帰路に着いた。
お水ごちそう様でした。